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繋がり

2023.06.26

繋がりのイメージイラスト

今をさかのぼること、30数年。新潟出身の僕が大学生になり上京、かねてより憧れだった一人暮らしを始めた日。今でも、ついこの間のことのように覚えています。それは、もうすぐ4月になるというのに冬に逆戻りしたような肌寒い日でした。桜も咲く頃だと言うのに、雪が散らついていたのを思い出します。そんな日でしたが、親とともに近所の電気屋さんで取り急ぎ必要な家電を買い揃え、大量に持ち帰ったのでした。そして、あらかた部屋も片付いた夕方、親は実家に帰ります。さあ、念願の一人暮らしのスタートです。

6畳のカーペット敷きの部屋に3畳ほどのキッチン、そしてごく普通のユニットバスがある築5年ほどのマンション。実家から持ってきた古い14インチのブラウン管テレビがぽつんと。昼間買った掃除機とレンジは部屋の片隅に無造作に置かれていました。電話はまだ引いてません。今と違い携帯など普及してなく、また4月は引っ越しが多く、新しく固定電話を申し込んでもなかなか準備ができないのです。電話が使えるようになるまで、結局一ヶ月くらいかかりました。ちなみに固定電話を引くと7万円くらいかかります(笑)。

電話もなし、もちろんインターネットもなし・・。寂しさを紛らわすために、付けたテレビでは、バック・トゥー・ザ・フューチャーをやっていましたが、ほとんど頭に入ってきませんでした。とにかく孤独すぎたのです。誰とも話すことができない寂しさとはこんなにも辛いのか、そんなことを初めて痛感した夜でした。

翌日、私は銀行に行きお金を引き出した後、テレホンカードを購入することにしました。人と話したい、そんな気持ちでした。電話する相手は、高校時代憧れていた女友達でした。昼間は外出しているだろうと思い、夜になるまで待ち、家から一番近い電話ボックスに入り、彼女に初めて電話しました。もともとそんなに積極的ではない僕ですが、寂しさの力を借りて、勢いで電話したのでした。彼女も一人暮らしで電話番号も聞いていましたが、彼女は千葉の大学で僕は神奈川、距離もあるし、電話することはほとんどないかな、なんて思っていたのですが、学生生活がはじまる前に電話することになるとは・・です。番号をプッシュし、ドキドキしながら待つこと数秒、電話に出た彼女は泣いていました。と言っても、深い意味はなく、彼女も一人暮らしの寂しさを痛感していたのでした。50度数のテレホンカードはまたたく間になくなり、手持ちの10円玉も尽き、仕方なく100円をいれて会話を続けました。100円はお釣りが出ないのです(涙)。大学がはじまるまでの数日間はそんな日々が続きました。ちなみにその女友達とは、その後何もありませんでした(笑)。

今なら、携帯もあるし、SNSもある。繋がりはいくらでも用意されています。もしかしたら、私の感じた孤独を今の若者は実感できないのかもしれないな、なんて思います。自宅で兄弟や親と一緒に住んでいるとき、恥ずかしいからと近くの公衆電話から彼女に電話したり、彼女から家にかかってきた電話を親に取られ怪しい目で見られながら会話をするとか、長電話になって兄貴からの早く切れというプレッシャーを感じたり(といってもなんだか喜んでいる自分がいる)とか、そんなこともないのだろうな。それも今となっては、良い思い出です。

とは言え、様々な繋がりがたくさん用意されている今の時代、嫌いじゃないです。僕と繋がっていただけている多くの人々に感謝しながら、今日を生きています。

田舎をアップデート:街の真価に気付き、それを深化・進化させていこう

2023.06.24

田舎をアップデート:街の真価に気付き、それを深化・進化させていこうのイメージイラスト

波が穏やかで鏡ヶ浦と呼ばれる美しい海に魅せられて、館山を住処に決めて、もう15年以上。海まで徒歩30秒の自宅は、いざ住んでみると、覚悟はしていましたが、塩害はもちろん、海から吹いてくる西風の激しさは半端なく、執拗に新築の家を痛めつけてくれるのでした。8年目には、ついにベランダの手すりが崩れ落ちましたが、これはこれで見晴らしが良くなったと喜んでいます。

ハードな仕事で心身ともにすり減らした後は、海を眺めてリフレッシュ。美しい眺めは、心を回復するための最高の薬です。

そんな素晴らしい所なのですが、どうしてこんな田舎にくるの?なんて言われることも、よくありました。こんな何にもないところにくるなんてどうしたの?とも。 住んでいると見えなくなることが多くなります。美しい海も昔のまま残る自然も、美味しい海の幸や野菜も。

移住してきた人の方が街の情報に詳しいとは、よく聞く言葉です。また、失ったり離れることで、ありがたみがわかることもあります。

アイデアマンで南房総の農産物や海産物を使った加工品をたくさん作って販売している会社「アルガマリーナ」の創業者の金高武夫さんに、以前インタビューをしたことがあります。金高さんが若い頃、漁師をやっていた時、海外で漁をしていると、地元の素晴らしさ、ありがたさを強く感じると語っていました。金高さんに限らず、Uターンしてきた方の多くが、離れてから地元の良さに改めて気付かされたと言います。

ここ数年、いや数十年、地方創生や地域活性化が叫ばれています。その際に「よそ者、若者、ばか者が、地域を変える」とよく言われます。それは、人材不足を補うという意味の言葉ではないでしょう。ずっと住んでいるとわからなくなってしまう街の真価を見つけやすいのがよそ者や若者たちである、ということだと思います。当然ですが、ずっと住んでいる人たちの力無くしては、地域の発展はありえません。新しい視点と古くからの視点、それぞれが組み合わさり、考えを進化・深化させていくことが必要となってくると思います。

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